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クラウドコンピューティング市場では、GoogleやAmazonが提供しているパブリッククラウドのサービスが有名ですが、これらのサービスは元々個人ユーザーを中心とするコンシューマ・ビジネスをグローバルに展開している両社にとって最適なサービス基盤として開発されたものです。
SFDCなどが提供しているSaaSなどのパブリッククラウド・サービスは確かに法人顧客にとっても有用なものですが、使用用途としてはemailやグループウェアなどの汎用業務か、Webアプリケーションなどの開発用にIT基盤を短期利用する分野に適したサービスであり、基幹系システムで要求される自社固有のビジネスロジックをアプリケーションに組み込むには適していません。 |
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アメリカ合衆国では安全保障に関する問題では国内の全ての情報を連邦政府が閲覧できることを法律で定めていますし、パブリッククラウドのサービス基盤が展開されている国々の中には個人情報管理や知的財産権などが曖昧に定義されている国もあります。
例えばパブリッククラウドを利用している企業で、日本の個人情報保護法に反して万が一大規模な個人情報の流出が発生した際には、当該企業の責任で多額な対策費用を拠出しなければなりません。
技術的な先進性だけを取り上げて、これらの環境リスクを考慮せずにITシステムを考えることは非常に危険な発想です。ITシステムは単に価格や利便性だけではなく、用途に応じたIT基盤を企業自体が責任を持って選定する必要があると思います。 |
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クラウドサービスアライアンスでは、当ホームページで魅力的なパブリッククラウド・サービスも幅広く紹介して参りますが、企業が対応しなければならない全ての課題をパブリッククラウドだけで解決するという考え方には無理があると考えております。
なぜなら本項の今そこにある課題で取り上げているような、企業の基幹系システムが直面している課題は、GoogleやAmazonなどのコンシューマ・ビジネス向けのサービス基盤と異なり、日本国内の法規制の下で様々なコンプライアンスに企業が責任を持って対応しなければならないため、データの管理やシステムの技術仕様を当該企業が可視化して管理するセキュアなシステムで対応しなければならない課題だと考えるからです。 |
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このようなセキュアなシステムを最適化する技術がプライベートクラウドと呼ばれる特定企業専用のクラウドサービスです。
プライベートクラウドはVMwareなどによる仮想化基盤を企業内に構築して、情報システム部門が社内ユーザーにITサービスを提供する形態と考えられてきました。
しかし最近では複数のデータセンタ事業者が法人ユーザーの代わりに仮想化されたIT基盤の運用管理を代行するアウトソース型のプライベートクラウドサービスが提供されています。このアウトソース型のプライベートクラウドサービスが、本項で取り上げる情報セキュリティや事業継続に関する課題への最適なソリューションと考えます。 |